Q&A

商標登録出願は、自分でもできるのでしょうか?

はい、できます。
ただし、商標登録出願には、専門的な知識が要求されますので、専門家である弁理士に依頼するのが一般的です。

弁理士とは?

弁理士は、特許・実用新案・意匠・商標に関して、特許庁などに対する手続の代理等を主な業務とする者です。弁理士となるには、弁理士試験(国家試験)に合格するか、所定の条件(弁護士資格を持つ者であって、弁理士登録をした者等)を満たす必要があります。

商標と商号の違いは?

商号とは、簡単に言ってしまえば会社の名前です。商号は、同一市区町村において同一の商号又はこれに紛らわしい商号でなければ登記できます。
これに対し、商標とは、例えば商品等に付するマーク等をいい、自己の商品等を他者の商品から識別するための標識です。商標は、特許庁の審査を経て登録され、登録された商標(登録商標)の効力は、日本全国に及びます。
したがって、商号を登記したからといって、例えば自己の販売する商品の商品名(マーク)が確実に保護されるものではありません。

指定商品・指定役務とは?

商標登録出願する際には、必ず指定商品または指定役務を指定する必要があります。指定商品または指定役務は、商標法施行規則の別表に掲げる区分に従って指定します。
なお、指定商品または指定役務は、出願に係る商標を実際に使用する商品・役務または近い将来使用する予定のある商品・役務を指定する必要がありますが、全く使用も使用する予定もない商品・役務を指定すると拒絶理由通知を受ける可能性がありますので注意が必要です。

商標の隅によく付されているRマークは、何ですか?

Rマークは、慣用的に登録商標であることを表示する記号として用いられています。Rマークは、Registered Trademarkの略であり、もともとはアメリカにおける登録商標を表す記号です。
なお、Rマークを商標登録されていない商標に付けると、虚偽表示として、罰せられる恐れがあります。

団体商標とは?

団体商標とは、民法第34条の規定により設立された社団法人その他の社団(法人格を有しないもの及び会社を除く。)若しくは事業協同組合その他の特別の法律により設立された組合(法人格を有しないものを除く。)又はこれらに相当する外国の法人が、その構成員に使用させる商標をいいます。
例えば、ある製品を製造等する業者で構成される団体が、共通のマークを団体商標として登録して、その団体に加入している構成員である業者に対して、一定基準を満たす商品に その共通のマークを使用させる場合等が挙げられます。
なお、法改正により現在では、以前は団体商標の主体となり得なかった「商工会議所」「商工会」「NPO法人」「中間法人」等も団体商標の主体となることができるようになりました。

地域団体商標とは?

地域団体商標とは、事業共同組合その他の特別の法律により設立された組合(法人格を有しないものを除き、当該特別の法律において、正当な理由がないのに、構成員たる資格を有する者の加入を拒み、又はその加入につき現在の構成員が加入の際に付されたよりも困難な条件を付してはならない旨の定めのあるものに限る。)又はこれに相当する外国の法人が、その構成員に使用させる商標であって、次の①~③に該当するものについて、その商標が使用をされた結果自己又はその構成員の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標をいいます。

  1. 地域の名称 + 商品(役務)の普通名称からなる文字商標(例えば、○○みかん、○○うどん)
  2. 地域の名称 + 商品(役務)の慣用名称からなる文字商標(例えば、○○塗、○○豚)
  3. 地域の名称 + 商品(役務)の普通名称又は慣用名称 + 産地等を表示する際に付される文字として慣用されている文字からなる商標(例えば、特産○○漬)

以前(地域団体商標制度導入前)は、上記①~③のような商標は、全国的に周知でなければ登録を受けることができませんでしたが、地域団体商標制度が導入されたことにより、一定の周知度を獲得した商標であれば全国的に周知でなくと登録を受けられるようになりました。平成19年10月23日までに全国において312件の地域団体商標が登録されています。

小売等役務商標とは?

小売等役務商標とは、小売業者等が使用する商標をいいます。以前は、小売業者等は、自己の店舗において取り扱う商品等について商品商標として登録を受けることにより商標を保護していました。しかし、小売業者等が扱う商品等は多伎にわたり、取り扱う商品全てについて商標登録を受けるには膨大な費用がかかっていました。また、店舗における店員の制服等に付する商標やショッピングカート等に付する商標については、保護されていませんでした。そこで、平成19年4月1日より小売等役務商標制度が導入されたことにより、小売業者等の行うサービス(小売業)についても指定役務として指定することができるようになり、小売サービスという1つの役務で商標登録を受けることができるようになりました。

商標の類似は、どのように判断されるのですか?

商標の類似は、外観・称呼・観念の3つの観点から判断されます。
外観が類似する場合とは、主として図形商標の見た目が相紛らわしい場合をいいます。
称呼が類似する場合とは、商標を構成する文字等から生ずる呼び方が相紛らわしい場合をいいます。
例えば、商標「エーアールシー」と商標「エーアールジー」との関係が挙げられます。
観念が類似する場合とは、商標を構成する文字・図形等から生ずる意味や内容等が同一の場合をいいます。例えば、商標「薔薇」と商標「rose」との関係が挙げられます。
ただし、ここで言う商標の類似とは、あくまで標章(マーク)の類似を意味します。したがって、上記の何れの場合も指定商品・役務が互いに同一・類似でなければ商標全体として類似しているとはいえません。